大判例

20世紀の現憲法下の裁判例を掲載しています。

最高裁判所第一小法廷 昭和44年(オ)46号 判決 1969年4月24日

主文

本件上告を棄却する。

上告費用は上告人らの負担とする。

理由

上告代理人小倉武雄、同密門光昭、同青野正勝、同鈴木純雄の上告理由について。

第三者の不法行為によつて身体を害された者の両親は、そのために被害者が生命を害された場合にも比肩すべきか、または右場合に比して著しく劣らない程度の精神上の苦痛を受けたときにかぎり、自己の権利として慰藉料を請求できるものと解すべきことは、当裁判所の判例(最高裁判所昭和三一年(オ)第二一五号・同三三年八月五日第三小法廷判決民集一二巻一二号一九〇一頁、同四〇年(オ)第一〇〇四号・同四二年一月三一日第三小法廷判決民集二一巻一号六一頁、同四三年(オ)第六三号・同年九月一九日第一小法廷判決民集二二巻九号一九二三頁参照)とするところであつて、これと同旨に出た原審の判断は、正当である。論旨は、これと異なる見解に立つて原審の判断を非難するにすぎないものであつて、採用することができない。

よつて、民訴法四〇一条、九五条、八九条、九三条に従い、裁判官全員の一致で、主文のとおり判決する。

(裁判長裁判官 大隅健一郎 裁判官 入江俊郎 裁判官 長部謹吾 裁判官 松田二郎 裁判官 岩田 誠)

自由と民主主義を守るため、ウクライナ軍に支援を!
©大判例